神戸市兵庫区 浦島歯科医院からのお便りです

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浦島歯科便り
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よく噛む(かむ)ことの大切さ

近年、食生活の西洋化やインスタント食品の普及、調理の工夫などによって、あまり噛まなくても良い、やわらかい食品が増えたことで、噛むことの重要性が見直されつつあります。小さい頃に「よく噛んで食べなさい!」と注意された経験はありませんか?噛むことが、からだに良いことを経験的に知っていたのでしょう。噛むことにはさまざまな効用があります。

<<よく噛む効用!>>

1. 消化をサポート
よく噛むことによって、食べ物が小さくかみ砕かれ、お口の中や胃、腸の中での消化を助けます。

2. 唾液の分泌アップ
よく噛むことによって、唾液がたくさん出ます。

3. 発育をサポート
よく噛むことによって、顔の筋肉やあごを使うことで、発育をサポートします。

4. 有害な異物をブロック
からだの中に有害な異物が入らないように、食べ物の中の異物を発見することができます。

5. 肥満を防止
ゆっくり噛んで食べることによって、満腹中枢を刺激し、食べすぎを防止し、肥満予防につながります。

6. 正しい姿勢をキープ
噛むことは、顎位(がくい)(上あごと下あごの位置関係)の保持につながり、正しい姿勢を保つ効果があります。

「よく噛むと頭が良くなる」といわれることがありますが、食べ物をよく噛むと、脳を刺激し、脳の細胞の働きが活発になるといわれています。
高齢者の方で、きちんと噛むことができないと、学習・記憶・自立度・認知・全身的な運動の持久力などの低下がみられるという報告もあります。

 

<<噛めない(噛まない)とどうなるの?>>

やわらかいものしか食べない食生活になると、どんなことが起こるのでしょうか。

 

1. 唾液の量が減る 
噛むことと唾液の分泌は密接にかかわっています。唾液には洗浄作用や抗菌作用によって、お口の中を清潔に保ったり、常に中性に保とうとしたりする力があるので、唾液が減ることで口臭が起こりやすくなったり、むし歯にかかりやすくなったりします。
2. あごの運動不足 
噛むためには顔やあごなど多くの筋肉が必要になります。噛めない(噛まない)と、これらの筋肉が使われないため、筋力が低下していきます。筋力が低下すると、ますます噛めなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
また、筋力の低下は顔のタルミやシワといった美容の面にも影響がでてくるといわれています。
3. 栄養バランスの乱れ 
よく噛まなくても食べられる食べ物は、水分や油分が多くなる傾向があります。そのため、どうしても栄養素が少なくなってしまいがちです。また、油分の多い食事は、高カロリー・高コレステロールになる場合もあります。さらに、よく噛めないと食物繊維が摂取しにくくなり不足しがちになるため、便秘になりやすくなる場合もあります。
4. 生活の質(QOL)が低下 
しっかり噛んで食事ができないと、食事が楽しくなくなります。そうすると、食事の内容が質素になったり、外出したくなくなったりして、社交性に支障がでてきたりすることがあります。

<<噛めなくなる原因は?>>

小さい頃から、しっかり噛む習慣を身につけることが大切です。しかし、食生活の西洋化やインスタント食品の普及などにより、あまり噛まなくても良い食品が増えていて、また、そのような食品をこども達が好む傾向にあります。
このような食習慣を続けていると、噛まない習慣が身につき、お口の発達に支障をきたす場合もあります。
また、高齢者が噛めなくなる原因は「歯の喪失」にはじまり、「入れ歯の不適合」「筋肉や舌の機能の低下」が起こるためと考えられます。しっかり噛むことができるお口を維持するためには、歯を失わないことが重要です。

 

<<あごを鍛えよう!>>

食物繊維の多いきのこや海藻類・野菜・魚の干物などを使った噛みごたえのあるメニューを取り入れ、ゆっくり時間をかけて、よく噛んで食べる習慣を身につけましょう!

<<歯を失わないためには予防が大切!>>

歯を失う最大の原因は、う蝕と歯周病です。う蝕や歯周病を予防することで、年をとっても歯が抜けるのを防ぐことができます。抜け始めてから治療・予防を始めるのではなく、日頃からのセルフケア・歯科医院でのプロフェッショナルケアが重要です。
セルフケアについて分からないことがあれば、歯科医院に相談しましょう!